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真の医の倫理とは:To put the patient first (患者第一) [こころね(心音)]

 

 

 

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出張先の病院で「ロハス・メディカル」という院内フリーマガジンをいただいてきました。
Vol.95 2013年8 月号です。

ぺらぺらとめくっていると『インフォームド・コンセントは「説明と同意」ではない』という平岡諦という医師の記事が目にとまりました。

記事は7月1日に刊行された『医師が「患者の人権を尊重する」のは時代遅れで世界の非常識』という書籍の一部抜粋でした。

「インフォームド・コンセント」が「説明と同意」でなければいったい何なのでしょう?

 

著書によると医の倫理が問われる元となったのは、第二次世界大戦中のドイツ・ナチス政権の下で行われたホロコースト(大量虐殺)に伴う「非人道的な人体実験」=「本人の自発的同意のない人体実験」でした。

戦後、合法(ドイツ・ナチス政権の悪法)によって行われたこの「非人道的な人体実験」は「人道に反する罪」とされ、関わった医師たちは死刑に処せられたそうです。

この反省から医の倫理は「患者の人権を擁護する」ために形成されることになりました。
「患者の人権を第三者の意向よりも最優先する」、「患者第一:To put the patient first」という医の倫理です。

世界医師会は各国の医師会にこの医の倫理の受け入れを推奨しました。

日本医師会も当然、世界の動きについて対応していました。

ただし、日本医師会は「患者の人権を擁護する」ではなく「患者の人権を尊重する」とし、さらに、患者の人権を曖昧にするような動きをしていたようです。

擁護:侵害・危害からかばい守ること。
重:価値あるもの、尊いものとして大切に扱うこと。

その一例が「インフォームド・コンセント」の扱いでした。

東京で開催された1975年の世界医師会で、患者の人権を担保するinformed consent「十分な説明を受けた上での、主体的な同意」が採択されたにもかかわらず、それから15年もたった1990年に、やっと日本医師会はインフォームド・コンセントを受け入れたようです。

ただし、本来の「患者の人権(自己決定権)を担保するためのインフォームド・コンセント」ではなく、ただ単に「説明と同意」と訳したため、「患者の人権」を曖昧にしてしまいました。

 

インフォームド・コンセントの本当の意味は「説明と同意」ではなく、「十分な説明上での、主体的な同意、患者の人権(自己決定権)を担保するためのインフォームド・コンセント」だったのです。

日本医師会は、どうして「To put the patient first:患者第一」という世界標準の医療倫理を無視するようなことをしたのでしょう。
世界医師会の推奨する医療倫理を受け入れる際に、患者主体の診療であるべきが、医師が主体とすり替えが行われました。

そして、「擁護」を「尊重」とし、侵害、加害からかばい守るということをやめました。

ですから、日本の医療現場では患者の人権を無視し、非人道的な人体実験まがいのプチ・ホロコーストのような診療が消えることはないのです。

 

 

 


 



 


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